2013年夏期講習作品/更紗帯染(手押し木版先染)
2012年夏期講習作品
更紗染科
手描きと木版の更紗を中心に、布地の調整、豆引、ふのりによる地入れから彩色、仕上げにいたる基本を指導します。クッション、帯、着物などを制作します。 [現在休講中です]
受講日 | 第3月曜 |
時 間 | 10:30〜16:00 |
月 謝 | 8,000円(税抜) |
年間諸経費 | 8,000円(税抜) |
備 考 | [現在休講中] |
中野保夫先生インタビュー
■教室の内容
更紗の染色講座ということで、手描きから入ってそこから進展するようにしています。今いらっしゃる生徒さんは皆経験を積んだ方ばかりなので、木版を使った染めを中心に行なっています。手描きから入る場合は、私の図案、文様を提供して染色のイロハからスタートします。
■上達したと感じるまでには時間がかかる
染めは上達するのに時間のかかる分野です。はじめてからすぐ辞められてしまう方もいらっしゃいますが、もったいないですね。上達したと実感できるまでには時間がかかるので、根気よくじっくり時間をかけて取り組んで欲しいですね。
今私があずかっている生徒さんは、ほとんど私に並ぶくらいの経験値を持っていらっしゃる方ばかりです。更紗にかぎらず、他のものづくりのいろいろな分野を経験なさってきているので、手慣れたものです。在籍生徒は7,8名です。新しい方がいらっしゃった場合は、少し周りの生徒さんの経験値が高すぎるものですから、違和感を感じられるかもしれませんが、先輩のいいところを吸収していただければ、上達も少し早いかもしれませんね。
■SEIWAとのつながり
SEIWAで教室を受け持ったのは昭和52年からです。SEIWAの染色教室は古くからある歴史ある教室ですから、その意味では近年は特に顕著ですが、本当の意味での初心者の方がいらっしゃる機会が少ないと思います。すでにいろいろな経験を積んだ方がお見えになることばかりですね。
更紗の手描きは、どのような場合でも最初に習う染の手法です。ロウを用いた防染や糸目、これは友禅の手法ですが、いろいろな技術があります。それを一つひとつ習得していただきます。図案は最初はこちらから提供させていただいています。
また木版の方は、昔は彫るところからやっていたのですが、生徒さんは主婦の方ばかりですから、いきなり刃物を使って彫るのは難しかったようです。また刃物を使う以上、砥げるようになっていただきたかったんです。ところがそれはハードルが高かった。なので現在は私の木版を生徒さんに提供し、それを使って制作していただいています。
手描きも木版も、私の図案を使用して慣れていただき、上達に応じてオリジナルの制作に入っていただきます。私の図版は組み合わせで面を構成しますから、1つひとつの版は小さいものです。それらを組み合わせる、文様構成を学ぶ機会も設けています。
更紗はいろいろなジャンルや名称がありますが、私は過去、誰にも師事しないで独学で学んできました。ベースとなっているのは古典更紗です。インド更紗やジャワ更紗です。主としてインド更紗で、そこから自分なりに発展させていったというものです。
技術の世界は自分でできるものとやりたいものとのギャップがあります。文様を組み合わせによって構成しますから、組み合わせには経験が必要で、版を押すのもそれなりに経験が必要です。そうするとやはり限られた時間で勉強するということで、私の方から文様を構成したものをバリエーションとして提供させていただき、あとは各々の生徒さん側でこれまで培ってこられた過去の経験を活かしてもらうという内容になっています。なので、教室では各々彩色をするという作業が主になりますね。そうしていかないと、この場で木版を押して、文様の構成を考えてとなると、なかなか制作が進みません。
現在はなるべく彩色をクイックに楽しみたいという風潮が主になっていますし、今の生徒さんはそれぞれに色々な経験値がおありになるので、その経験を更紗で活かしてもらうという進め方ですね。
生徒さんは全般的に、例えばインテリアでパネルとかのれんにするといった具体的にコレをつくるという考えを持たずに染めを楽しまれている方が多いですね。制作物がはっきりしていればいいのでしょうけれど。でも制作物をつくるとしたら、並幅を使うときが多いですから、パネルにしたりと言った感じですね。広幅を使った場合は、のれんやクッションをつくられていますね。今は既成品も安価に手に入りますから、初めからコレをつくるという考えは持たず、自由制作として染めを楽しむというスタイルがこの教室では一般的ですね。
- 1教 え 方
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