創作のり染科
型染、筒描きの技法で、各種化学染料を使って布染の基礎を学びながら、インテリア小物からタペストリー、着物染彩画までオリジナル作品が制作できます。
受講日 | 第2・4火曜 |
時 間 | 10:30〜16:00 |
月 謝 | 12,000円(税抜) |
年間諸経費 | 8,000円(税抜) |
猪瀬敏子先生インタビュー
■教室の内容
自分で絞り染めを行ってもらったり、型染めをする作業を通して技法をお教えしています。教室名の「のり染科」は、のりを使った防染というところが由来です。月単位でカリキュラムを組んでおり、技法とデザインを元にした課題を設定していますが、あくまでも目安であって各々の生徒さんのつくりたいものに応じた作品づくりの指導をしています。材料は木綿、麻地、シルク地などで、いろいろな染料の使い方を経験していただけるように用意しています。
■つくれるもの
最近は着物を着る機会も減りましたし、大きい作品よりもタペストリーやインテリア小物などを主に制作される生徒さんが多いですね。着物そのものをつくる人も今は減ってしまいましたしね。昔は着物や帯地などをつくりたい人が多くいらっしゃいましたが、現在は時代の変遷に合わせてインテリア雑貨、クッションカバーなどをよくつくっています。展覧会に出す額装をつくっている生徒さんもいらっしゃいますね。
各種染料はSEIWAの染料を使って制作していただきます。進め方は、最初に私のつくったものを見本としてつくっていただき、慣れてきたらデザインから自由に制作していただくという流れです。基本的なことはカリキュラムに沿った技法をお伝えしていますが、生徒さんが皆一様に横並びで制作するのではなく、個々の進行度合いに合わせて進めています。
■創作のりの魅力とは?
はじめは世界のどこにもない、私だけのものをつくりたいという気持ちでした。私が女学校に在籍していた当時、今で言うと中学校にあたり、ちょうど14歳の頃でした。私の先生が日本橋の三越で展覧会を行なっており、それを見て感動したのがきっかけでした。「私はこういうことがしたかったんだ」とおもったのです。
その先生は非常勤講師として私の通う学校に来ており、染めたものを持ってきてくださり、作品をいろいろと説明してくださったんです。当時はその先生のところに遊びに行って、見せていただいたりもしました。そうして染色に取り組むようになり、高校1年か2年くらいのときには学校で個展をやらせてもらいました。
中学校時代に衝撃を受けた先生は多摩美大を出てらっしゃっており、私も同じく多摩美大を志すようになりました。昔は大学に行く人が少ない時代で反対も受けましたが「染色をどうしてもやりたい」ということで、進学させてもらいました。
大学を出たあと、大学のお茶の先生から、白生地を染めてみないかと誘われました。私が染めたものが好評で「見本を見たいので、サンプルをいくつかつくってみないか」と依頼されたんです。今も変わりませんが、当時お茶をやる方は着物や帯を締めることが多かったんです。そういう経験を契機として、染色を本格的にやるようになったんです。
両親から反対もされましたし、当時はお金もなかったですけどね。でも、染色がどうしても好きで、染める作業は大変だったんですけど続けて来ました。ほかにも着物や帯のオーダーを受けて染色し、それをお客さんに納める仕事もやっていました。
2013年夏期講習作品/「ストレチア」
- 1創作のり染科
- 2SEIWAとのつながり