友禅染科
細かい糸目糊、こまやかなぼかし彩色の技術で、豪華な美しさを表現する友禅染を学びます。しっかりとした基礎技術を指導します。
受講日 | 第2・4金曜 |
時 間 | 10:30〜16:00 |
月 謝 | 12,000円(税抜) |
年間諸経費 | 8,000円(税抜) |
藤木紀一郎先生インタビュー
■教室の内容
友禅染の基礎技術を習得し、その技術を土台にして自分のつくりたいものをつくっていただき、ゼロからひと通りの制作過程を通した指導を行なっています。
■教室設置の経緯
私がSEIWAの教室をお預かりしたのは昭和53年からで、もう35年になりますね。SEIWAの初代社長が私の工房まで訪ねて来られて「あなたに友禅の教室で教えてほしい」とおっしゃられたのを今でもはっきりと覚えています。
当時、はっきりお伝えしたのは「私は職人だから、ものを教える立場ではない」ということでした。人様にお教えするとなると、当時の私には経験値が足りませんでした。そのことを申し上げたら、「それでいいんだよ。職人っぽく教えてくれればいいんだよ」とおっしゃられた(笑)。
当時私にも弟子が何人かいて、工房で育成していたのですが、まさに私には職人としての接し方しかできないし、職場で教えるのと教室で教えるのはだいぶ違います。それで初代社長に「自分には無理かもしれない」と、はじめはお断りするつもりでそのことを申し上げました。でも結局説得を受けて、お受けしました。
それ以来、ものづくりの世界はいつまでたっても勉強の毎日ですが、私が教室を預かってきたその間、とても熱心な生徒さん達に恵まれ、皆さんが少しずつ力をつけてきてくださることは大きな喜びです。
■染職人として経験したこと、学ぶ人に伝えたいこと
私が友禅染めの道に入ったのは昭和33年で、もう半世紀を超えました。当時は、すごく封建的な社会でした。師匠がいて、弟子がいる、いわゆる徒弟制度ですね。
私は高校卒業後すぐに東北から上京し、友禅染めの工房に入門してから5年間は無給、三度の飯と寝るところだけでした。私はものづくりがしたかったというだけで、当時は必ずしも染色でなければならないというわけではなかったんです。
入門したての頃、一番つらかったのは、自由な時間がないことでした。住み込みだから公私の区切りがなかったんです。そしてどこに行くにも金がなく、師匠の家でゴロゴロしたり、徒歩で移動出来る範囲に限られていました。
今にしておもえば、そういった日々そのものも修行だったのでしょう。金も時間もないが、それでもくじけなかった。そして修行中に経験した生活は、いい職人を育てる最良の方法だった、と今にしておもいます。職人はそうやらなければ育たないと。
今の職人志望者は大学を経てから来ることが多いのですが、はじめてからすぐに辞めてしまうのはすごくもったいないと感じます。すぐに上達するものでもありませんが、まずは続けてみないと分かりません。これは染色にかぎらず、万事に通じることだとおもいます。特別な大きな成果や成績を上げなければならないわけではありません。コツコツ続けていれば、必ず力がつきます。私が責任をもって、力をつけさせます。
2019年夏期講習作品/名古屋帯「糸目糊置き」
2019年夏期講習作品/「ダンマルの効果」と「箔置き」
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