SEIWA | Leather Craft :: Fabric Dyeing school | 染色・レザークラフト本科コース | 革andアルファ科

レザークラフトに出会ったきっかけ

■レザークラフトに出会ったきっかけ

 私がはじめて革に触れたのは20代のはじめの頃です。私は北海道の出身で、まだ北海道にいた頃、通勤のためバスを利用していたんです。

 そのバスの停留所で待っている間、道路の向かいにレザークラフトの教室の様子が見えたんです。何をやっているのかはじめは分からなかったのですが、興味を持って教室に入り、教えて頂きました。

 その教室の先生は革と布を扱っていたので、そこで1〜2年くらい学びました。その後20代後半になって、何か新しいレザークラフトに取り組んでみたいと思い、本格的に学び始めました。そのときSEIWAさんとご縁ができまして、SEIWAの教室に入ったんです。

 当時、革の教室のなかでカービングを専門とする教室と、革工芸全般に取り組む教室があり、私は両方を受講しました。そして教室で空き時間があると、もっと革に触れていたいなと思うようになりSEIWAのスタッフに相談したところ、カービングの先生が東京の大塚に工房を開かれていて、そこを紹介していただきました。

 教室のない日はその工房に通っていました。たしか水曜、土曜はSEIWAで1日じゅう過ごし、卒業と同時にSEIWAのアトリエに入りました。今とは違うビルでしたが、そこにSEIWAのアトリエがあったんです。

 アトリエでは先生の制作のお手伝いをしたりして、助手として勉強しました。同時に教室でも先生の助手としてお教えしたりしました。それからずっとSEIWAに携わって来ました。


■レザークラフトの魅力

 本物だということです。そして作り方の答えがひとつではないというところでしょうか。デザインによって表情が大きく変わりますし、一度切ってしまうとやり直しが効きません。穴をあけたり、傷をつけてしまうと再生できない。

 それを何とかしようと思えば、失敗しないようによく考えることもそうですが、失敗と考えずにそれをデザインに組み込んで活かすという方向性でやっていくしかありません。

 捨ててしまえばおしまいです。間違って穴をあけてしまったところをどのように活用しようか、それを新たに考えていく時間が楽しいですね。

 素材は主に牛革で、一枚ごとに状態が違うこと、そして背中やお腹など部位で性質が微妙に異なるところ、そういった特性を理解して使い分けることも魅力ですね。それぞれ個性を持った素材と対峙するということです。

 既成品でもたくさん安くていいものが手に入ります。しかし自分が手をかけて、あれこれ考えながらできあがっていく過程が喜びであり、楽しさであると思います。


■伝えたいこと、メッセージ

 技術指導はもちろんですが、つくる喜びを味わっていただきたいですね。そしていつかは自分だけのマイブランドとして、ものづくりができたらいいですね。

 やっぱり教室に通うことを検討しておられる方は、既成品にはないものをもとめていらっしゃると思います。自然と個性的な方が集まってきていますので、そういった方々といっしょになって作品作りをしてみてはいかがでしょうか。

 夏期講習でも、受講者さんにつくっていただくサンプルを事前につくります。そのとき教室での生徒さんの様子を見ながら、工程を考えたりしています。

 生徒さんからアドバイスをもらうこともあります。夏期講習は毎年行なっていますから、何か新しいものを提供したいと考えています。そういったときにも生徒さんからも、アドバイスしてもらうこともありますね。


■メッセージ

 つくるって楽しいですよ。何をつくろうかと考えているときや想像しているときは、どんどんアイデアが湧いてきます。そうした中、たとえばデパートに行ったり、電車に乗ったり、街を歩いていたりするときのモノの見方が変わってきます。

 バッグをつくろうとしていれば、自然とバッグに目が行きます。そうして、普段気にしていなかったものが視界の中に入ってきます。どうやって仕立てているのだろう、この色の組み合わせはいいな、といった具合に。それは今までモノクロームだった部分がカラーで見えてくる感覚といえるかもしれませんね。

 つくることで世界が広がり、モノの見方が変わると思います。それはすなわち毎日の生活の豊かさと言い換えられるかもしれません。

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