イタリア留学でまなんだこと
■染色に出会ったきっかけ
私は学生時、インテリアデザインを専攻していました。ディスプレイが好きだったこともあり、当時はその道に進むつもりでいました。
染色に興味を持ったきっかけは、インド更紗です。当時たまたま大きな展覧会があり、それを目にしたときに、アジアって結構すごいモノがあったんだな、と思ったんです。そして調べてみると日本にも「更紗」がありました。
そうして次第に染色に傾倒していき、学校を出てから、友禅とローケツ染めの職人さんの元に弟子入りし、3年間勉強しました。そこでは技術だけをとりあえず身につけたいと思い、一心に勉強しましたね。
職人さんのもとで染色を学んだものの、着物がつくりたかったわけではありませんでした。しかし修行を経た後も、10年間くらいは着物をつくる仕事に携わりました。10年が経って、ふと立ち止まると、自分のやりたいことと違う方向だと思いました。そして思い切って2年間、イタリアに留学したんです。当時すでに30歳を越えていました。
渡欧にあたり、染色の勉強をやり直すという口実のもと、イタリアに行きました。日本にいるとなかなか着物の世界から脱することはできません。技術面でも同様です。そして帰国してから、着物以外のものも幅広く手がけられるようになりました。
SEIWAさんにはもともと客として行っていました。そこでスタッフも私にいろいろと教えてくれて、仲良くなりました。あるときSEIWAのスタッフが、私の展覧会を見て興味を持ってくださいました。「とてもユニークなことに取り組んでいるから、SEIWAでもやってみませんか?」と声をかけてくださったことがきっかけでした。
はじめは1日講習からでした。1日講習を何度か行ううちに、次第に生徒さんも増えていきました。その経験をもとに、「本格的に教室を立ち上げませんか」と依頼が来て、お受けしたんです。
教室をはじめてから20年くらい経ちました。今ではSEIWAで教室を持たせていただいたことに、すごく感謝しています。
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